平成25年度 東京法曹会幹事長 森 徹

第1. 本年度のキャッチフレーズ

One for all, All for one

一人はみんなのために、みんなは一人一人のために。
一人はみんなのために、みんなは一つのことのために。

ひとりひとりが東京法曹会の会務に積極的に参加してほしい、そして、東京法曹会はひとりひとりの力をまとめて一つの目標に向かって、と同時に、ひとりひとりの会員のために!との願いを込めて、このキャッチフレーズと致しました。

第2. 会務執行方針

1. 80年の歴史の上に新たな時代を切り拓く。

昨年、東京法曹会は創立80周年を迎えました。

これまで先達の会員が、多大な努力により、今日の弁護士の社会的地位を築いてきたことはいうまでもありません。隣国中国には「水を飲む人は井戸を掘った人を忘れない」という言葉があります。

我々は、現在の弁護士の地位がごく当たり前のように思っていますが、それは戦前戦後を通じて、先輩方が心血を注いで築き上げてきたものであります。

法曹人口問題をはじめ、課題は山積している中、先人の労苦を思い、それをさらに発展させ、新たな時代へ踏み出す必要があります。

2. 会員720名が世代を超えて一体感を持てる会派とする。

現在、当会は700名を超す会員を有し、東京弁護士会内の最大会派の地位を占め、各界へ有為な人材を輩出しております。

他方、会員数の増大にともない、会員相互の関係が希薄となっていると言われています。

当会の会則第3条は、「目的」として、まず最初に「会員相互の親睦と相互扶助」を掲げておりますが、本年度は、原点に立ち返り、ベテランも中堅も若手も、世代を超えて語り合い、先人の叡智と経験を承継できる企画を考えたいと思います。

3. 各年代層のニーズに応じた親睦、研修の企画を充実する。

700名を超す会員が相集う企画を考えるとともに、他方で、各年代層のニーズに応じた親睦、研修の企画も必要と思います。

会員の声をどのように集約し、どうニーズを把握し、企画に反映するか。

「幹事」制度の改革とともに、現在、委員会でどのようなことが行われているかをタイムリーに広報する必要もあります。

4. 「今、何が!」を速報的に伝える広報に挑む。

そのためには、東京法曹会の各種委員会が、執行部が、そして、各界へ輩出された会員が、今、何を行っているか、広く会員間で共有する必要があります。

その方策として、現在、東京法曹会ニュースという媒体があります。

しかし、この媒体は予算や編集の労力などから年4回程度の発刊に限られ、タイムリーな情報提供という点では大きなビハインドを有しています。

他方、FAXニュースなどは、速報性を有しますが、予算上、発行する回数の限界があります。

現在、メーリングリスト、ツイッター、フェースブックなどインターネットを通じて、簡易かつ安価に、情報共有する手段が発達してきております。

これを会員全員が使いこなすというのは、すぐには無理と思われますが、徐々にこのような媒体を通じて、連絡、情報共有ができるような素地を作っていきたいと思います。

本年はその最初の取りかかりの年となればと思っております。

会員の方から是非多くの知恵を出していただき、より良いものを作りたいと思います。

5. 法曹親和会の一会派として東弁会務を積極的に担う。

現在、法曹養成問題、弁護士の就職難など、我々をとりまく環境は厳しい状況にあります。

また、東日本大震災から2年が経過しましたが、本格的な復興に向けて住居の移転や新たなまちづくりなど権利関係の調整も必要とされています。

福島第一原発事故による被害回復も急務です。

その他、TPP参加がもたらす問題など、今こそ、我々法曹の力が試される時代が来ております。

我々一人一人の力は小さいですが、その力を結集して、難題に立ち向かう必要があります。

当会は、法曹親和会の中で最大会派であります。

しかし、その数の多さに奢ることなく、三会派の融和を図りつつ、法曹親和会の一員としてその責務を果たし、東京弁護士会会務を積極的に担う必要があります。

6. 有為な人材を適所に輩出する。

当会はこれまで各界に多数の逸材を輩出しております。

その伝統を受け継ぎ、さらに、適所に適材を送り出すために、時機を失することなく対応していく所存でおります。

諸先生方のご指導、ご叱正を宜しくお願い致します。

敬 白